NDフィルターって必要?:超オススメのH&Y可変式マグネットNDフィルターのレビュー

レビュー

皆さんこんにちは、リョウ (@Ryo_s_Like)です。

先日、H&Yから新たに発売された可変式NDフィルターを購入しました。

今回はそもそも論としてNDフィルターの必要性について纏めると共に、作例を用いたレビューをしたいと思います♪

結論から言うと、かなり高品質なフィルターでした!

そもそもNDフィルターって?

レビューの前に、まずはNDフィルターについて簡単に纏めておこうと思います。

NDとは、Neutral Densityの略で、直訳すると中立な濃度となります。光の色味を変える事なく、(すなわち中立的に)光量を減らす事ができるため、このような名称となっています。

NDフィルターは様々な濃度があり、それぞれ減光量が異なります。

例えばND4であれば、光量を4分の1にする減光性能があるという意味です。

カメラでは、○段分という表現がよく用いられますが、1段分の差は光量で言うと2倍の差にあたります。

なので、ND4とは4÷2=2段分の効果になります。

以下はNDの値と段数の関係です。

ND2=1段
ND4=2段
ND8=3段
ND16=4段
ND32=5段
ND64=6段
ND128=7段
ND10000=約10段

2^5=32、2の5乗=32なので、段数は2の乗数にあたります。

Point

・NDフィルターとはサングラスのように光を遮る効果のあるフィルターのこと

・ND○というのは、光を○分の1に減らすという効果度合いを示す

・ND8は8段分ではなく、あくまでも3段分(2の3乗=8)

「カメラは明るい所の方が綺麗に撮れるのに、どうしてわざわざ暗くする必要があるの?」と思う方もいると思います。

確かに写真の場合は、絞りを開放してもシャッタースピード(SS)を速くすれば適切な明るさに調整できます。

例えばF4.0、1/500ssで適正露出の時、F2.8まで開放する場合はSSを1/1000まで上げれば適正露出となります。

この例では、絞りで1段分明るくし、SSで1段分暗くしているので、差し引き0という事です。

では動画の場合はどうでしょうか。

動画撮影では、目安となるSSが決まっています。撮影設定のfpsの2倍分の1が適正なSSです。

24fps → 1/50ss

30fps → 1/60ss

60fps → 1/125ss

120fps → 1/250ss

つまり、動画ではSSを自由に変える事ができません。

より正確には、変えられるけど変えない方が良いです。露出オーバーになっているからと言ってSSを上げてしまうと、撮影した動画データがパラパラ漫画のようになってしまうからです。

一方、F値をあげる(絞る)事で露出を調整することは出来ます。ただし、絞りを変えると意図した表現が出来なくなります。

例えば、「ここは背景をボカして撮りたい」という時はF値を下げる必要がありますが、F値を下げると露出がオーバーになり、画面全体が白飛びしてしまうかもしれません。

このように、動画ではSS変更の柔軟性が低く、絞りについては光量調整ではなく表現手法として使う必要があるため、明るさを調整する手段がありません。

そこで、レンズの前にNDフィルターをつけて減光するというわけです。

Point

・静止画撮影では、絞りを開放してもSSを上げれば露出の調節が可能

・一方動画撮影では、SSや絞りの柔軟性が低く、露出調整にはNDフィルターが必要

なお、NDフィルターには固定式と可変式の2種類があります。

固定式とは、フィルター1枚1枚の濃度が決まっているタイプのものです。ND4であれば2段分の減光性能で、それ以上でもそれ以下でもありません。

ND4でも減光が足りない場合は、ND16などのより濃度が濃いフィルターに付け替える必要があります。

一方、可変式とは、減光性能を調節できるタイプのものです。ND4-64の可変式であれば、2段分〜6段分まで、1枚のフィルターで調節することが可能です。

ND4で足りなければ、フィルターを回して濃度を上げれば良いので、付け替える手間がなく便利です。

H&Y 可変式マグネットNDフィルター

今回レビューをするのは、H&YのND4-32 (2-5stop)の可変式マグネットNDフィルターです。

新たに登場した可変式NDフィルター

H&Yは台湾のフィルターメーカーで、フィルター径に関係なく使えるRevoringシリーズや、ツノ型フィルターシリーズなど、幅広い商品を販売されています。

僕は数ある同社のフィルターシリーズの中でも、マグネット式丸型シリーズのフィルターを愛用しています。

これまでこちらのシリーズには可変式のNDフィルターはなく、固定式のNDフィルターしかありませんでした。

ちなみに固定式のフィルターは、ND4, 8, 16, 32, 64, 1000が発売されていまして、僕もこれまではこちらを使っていました。

ND8とND64の固定式フィルター

マグネット式なので、磁力でレンズにくっつくというのは勿論なのですが、こちらのフィルターはフィルター同士もマグネットでくっつくというのがポイントです。

ND4で足りない時は、上からND8のフィルターを重ね付けすることで、ND32の効果を得る事ができます。(NDフィルターの重ね付け効果は、掛け算で簡単に求められます)

これまでの固定式マグネットも便利だったのですが、今回可変式タイプが出た事で更に便利になりました。

屋外での撮影では、ちょっとした移動や画角調整でも大きく露出が変わってしまう事があるので、やはりフィルターを回すだけで減光量を調整できる可変式は使い勝手が良いです。

一点注意点ですが、マグネット式ではあるものの、可変式NDフィルターの取り付けはねじ込みが必要です。可変式NDフィルターの上に、マグネットでフィルターやレンズキャップを重ね付けできる仕組みになっています。

Point

・これまでH&Yのマグネット式NDフィルターは固定式のみだった

・今回、新たに可変式のマグネット式NDフィルターが登場

・可変式NDフィルター自体はねじ込み式で、その上にマグネットで重ね付けが可能

色味への影響やXムラの確認

ではここからは実際に撮影してきたデータを使って性能チェックをしていきたいと思います。

冒頭記載した通り、色味を変えることなく減光できるためNeutral Densityと呼ぶのですが、実際には色味への影響は多少はあります笑

特に安価なものほど影響が強く出る印象です。

今回の商品は82mm径のもので16,880円となかなか高価ですが、色味への影響はどうでしょうか。。

まずはフィルター無しの写真です。

F4 1/1600ss

次にND4です。

F4 1/400ss

SS以外の設定は全て同一条件(WBも指定)で、JPEG撮って出しです。使用機材はFX3と2070Gレンズ。

見比べると、若干フィルターをつけた写真の方は暖色系になっているように見えますが、かなり色味への影響は抑えられています。

これは相当優秀だと思います。続いてND8。

F4 1/200ss

続いてND16。

F4 1/125ss

最後にND32です。

F4 1/50ss

いずれもやや暖色になっているものの、言われないと分からないレベルかと思います。個人的には全く問題ない水準です。

続いて、四隅の光量がより大きく減光される、所謂X字ムラについてです。上の例では右上と左下の減光度合い。

これは可変式NDフィルターの構造上、完全に無くす事はできないと言われていますが、どの程度のムラが出るかはフィルターの品質次第です。

フィルター無し(右)と、ND32(左)で、黒枠で囲った右上部分を比べてみます。

左:ND32と、右:フィルター無し

横並びで比較すると違いが分かるものの、実用上は全く問題ないレベルです。

正直、数千円の可変式NDフィルターだともっとはっきりとムラが出て、「これじゃちょっと使えないな、、」というものもありますので、こちらのフィルターはかなり高品質だと思います。

Point

・色味の影響は少なく、使い勝手◎

・X字ムラもしっかりと抑えてあり、全体的に品質は高い

終わりにー使ってみての感想

先日、早速お出掛け時にこちらのNDフィルターを使ってみました。

FX3+2070Gレンズに装着

やはりフィルターを回すだけで減光量を調節できる可変式NDフィルターは非常に便利です。露出にはそこまで気を使わず、構図や画角の調整に集中することが出来ました。

また、こちらのフィルターの良いところは、他のフィルターをマグネットで重ね付けできる点です。

同シリーズのホワイトプロミストやその他のカラーフィルターなどをワンタッチで取り付けられるので、色々な表現を手軽に楽しめます。また、当然固定式のNDフィルターを上から重ね付けすることも可能です。

可変式NDの上にホワイトプロミストを重ね付け(マグネット式)

唯一、欠点というわけではありませんが、ND64〜128等もう少し最大濃度があると更に使い勝手が良かったかなぁと思います。

先日使用した時は、晴天の真昼間にF4通しのレンズに装着していましたが、ND32でギリギリ減光が間に合ったという感じでした。大三元のF2.8や、大口径のF1台のレンズで開放で撮りたい場合は、ND32だとちょっと白飛びリスクがあるかなと思います。

そういった場合は、可変式NDの上に固定式のNDフィルターを重ね付けして対応しましょう。

可変式のNDの上にND8を重ね付け
Point

・可変式は減光度合いを簡単に調節できるのでやっぱり便利

・本商品はND32まで。足りない場合は同シリーズの固定式を重ね付けすると良い

値段はそこそこ高いですが、その分品質も高いため、良いNDフィルターを探しているという方には非常にオススメの商品です。

中途半端な物を買うと、色味への影響やX字ムラが酷かったりで使い物にならないケースもあるので、なるべくレビューなどを見て良さげなものを選びましょう!

気になる方は是非、こちらの公式HPから購入してみてください♪

フィルター径は67mm、77mm、82mmがありますので、お使いのレンズに合うものを選びましょう。ちなみに僕は82mmのフィルターを買って、ステップアップリングを噛ませて使っています。

ここまで読んで頂きまして有難うございました♪

良かったら暇つぶしに他の記事も読んでもらえると嬉しいです^^

それではまた♪

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